■三人で☆珍道中(1)

どうしてこんな奴、召喚出来ちゃったんだろう。どうして契約なんてしちゃったんだろう。時々ものすごく後悔する。


「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ」
洞窟の中。外に戻る途中。予想もしてなかったゾンビに遭遇して悲鳴をあげた。

「リジュ!援護頼む」
「わかった」
私の【使い魔】達は素早く戦闘態勢になったのだけれど肝心の【主人】(マスター)である私は…。

「…ってそこに座り込んでると危ないぞ」
「だ、だってぇ。出るなんて思わなかったから腰…」
側にいたリジュによいこらしょっと抱き起こされる。

「リュー。ボクは【主人】(マスター)を守りますから、君は目の前のゾンビを片付けてきてください」
「仕方ねーな」
「さて、セリアさん。後ろ下がりましょうか」
「あ、うん」
後を向くといつの間にか別のゾンビがこっちに近づいてる。

「うきゃぁぁぁぁぁぁ」
「うるせー!」
「だ・だ・だ・だってぇ〜。後ろにも来てるんだもん」
「魔法使えばいいだろうが」
「炎系の魔法使えないんだもん!」
「使えない【主人】(マスター)だなぁ」
「使えないって何よ!使えないって!」
「そのままの意味だよ!」
「ほらほら。二人とも。喧嘩してる間に挟まれますよ」

うわぁ。さっきより近づいてるぅ!

「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
「だぁぁぁぁぁぁ!うるせ〜!」
「ああもう!後方はボクが何とかしますから」

すっと…ローブをまとった魔族の少年が印を結ぶ。ごうっ…という音とともに少年の手から炎がゾンビに向かって吐き出された。焼かれた生きる死人達は燃え崩れながらこちらに向かうが手前で全てが崩れ去る。腐った肉の焼けるいやぁな匂いが洞窟内に籠もり私は壁に向かってしゃがみ込んだ。

うぷっ…ぎもぢ悪い…

「やっりぃ。リジュ。んじゃ今度はオレの番な」
軽装の剣士と見える少年が背中の剣を抜き、前のゾンビの集団に喜び向かっていく。

「セリアさん。そこにうずくまっていると巻き添えになりますよ」
「そ、そんな事言ったって」
「ほら、後ろは安全ですから」
「この腐った肉の燃えかすの方に行くの?」
「でも安全ですから」

この二人には嗅覚というモノがないのだろうか?全然臭がっていないんだけど。

「へへへっ。雑魚だけどお前ら倒すと金になるからな。張り切っちゃうぞー」
少年の彼にとっては大振りの類の剣だと思うんだけど、どれを軽々と振り回してちんまい身体で所狭しと動き回るその様子は猿のようだ。ゾンビをばったばったとなぎ倒していく。

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