■三人で☆珍道中(3)

「朝買った干し肉やチーズは残ってないんですか?」
「仕事する前に二人が全部食べ切っちゃったから何にもないわよ」
「「ええ〜」」
「せめて水…」
「干し肉が堅いって文句言いながらも飲みきった人は誰でしたっけ?」
「……オレ」
見た目にわかるほどがっくりと肩を落とし、リューがうつむいた。

「仕方がない。こうなったら近くの川を探しましょう」
「…そうだな。水だけでも飲んでおいたほうがいいもんな」
「ちょっと待って!」
放っておくとそのまま探しにいってしまいそうな彼らを思わず声をかけた。

「そんな事やってたら帰りが遅くなっちゃうじゃない。遅くなったら報酬もらうの明日よ?お金もらわないとご飯食べられないんだからね」
「「ああー!そうだったー(でしたー)」」
頭を抱えて二人はうずくまった。

「急いで帰ろ。お金もらったらたんとご飯食べさせてあげるから」
「「本当?」」
きらきらと目を輝かせて二人は私を見る。

「肉食っていい?肉」
「あ、うん」
「お腹いっぱい食べられるんですよね?」
「あ、うん。多分…大丈夫だと…」
その期待に満ちた視線に思わず息を飲んだ。

仕事料が金貨2000枚だから大丈夫だと思うけど。何も言わないと全部食い尽くしかねない。

「あ、でもリューの剣を新しく買って、宿決めてからね」
「わかった!」
「じゃ、急ぎましょう」


ばきっ…どかっ…

「「「え?」」」
音にびっくりして横を見ると一つ目の巨人が木々をなぎ倒しながら街道に向かって近づいている。

何でこんなやつがこんなところにいる訳?

「サイクロプスですね」
「珍しいな。こんな人里に降りて来るなんて」
「悠長な事言ってないで。アイツ目を潰されて暴れ回ってるのよ」

よく見ると目に何か武器のようなモノが刺さっているのが見えた。きっと、どこかのパーティがしとめ損ねたのだろう。

ついてない。ただでさえ二人がお腹減らしているのに迂回していかないといけなくなってしまった。

「あれ?どうやらあの町に近づいているみたいですよ。この暴れようだとかなりの被害を被るかもしれませんね」

嘘ぉ!
リジュの声に思わず声を上げた。

うわぁ。本当だ。私達が戻る予定の町に着実に進んでる。

「ええ〜!それじゃ。オレ達のごはんは〜?」
「町がなくなったら食べられないに決まってるでしょう?」
リューが情けない声を出すと冷静にリジュが返事を返した。

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