■花を咲かそう(7)

「…ひょっとして…」
「でも、まだ早いですよ?」
「栄養が良すぎたから成長が早まったんじゃないのか?」
「だとしても出てくるのは蕾だって聞いていたんですよ!」

「あふっ…あっ…やっ…やっ…」
体内から出口に集まった蔦が我先に外に出ようと蠢き回る。その蔦だってそんなに細くないから身体が火照っている私は出るたびに声を上げた。表に出た蔦の先は徐々に太くなっていく。そしてある一定の大きさになるとはじけるように先が裂けた。

ぽんっ!
ぽんっぽぽんっ!

「へ?」
小気味いい音を立てて開いたそれは、小さな花の集合体だった。一つ一つは小さな花だけど、それがより合わさって手の平ぐらいの大きさの花を形成していた。色艶やかなそれが次々に咲き始める。

ぽぽんっ!
ぽぽぽぽんっ!

「ふぁぁ…すごい…綺麗…」
部屋が花の甘い匂いで充満した。何だか幸せな気分になるそんな匂い。あの外観からは想像が付かなかったけれどこんなに可愛い花になるなんて思わなかった。お兄ちゃん達は咲いた端から花を切って瞬く間に床にその花の小さな山を作って行った。

「さあ、兄さん。ここからは兄さんに頼むよ。花の本体を引っこ抜かないと」
「よっしゃ。まかせろ」
お兄ちゃんは私の股間に移動をして、だらしなく垂れ下がってる蔓の束を掴む。神官のお兄ちゃんは私の背中に回って身体を羽交い締めにした。

「ふんっ!」
「あっ…あんっ…はぁぁぁ…」
お兄ちゃんがぐっと引っ張ると身体が引っ張られる。入り口に何か引っかかって簡単には抜けないみたい。

「兄さんもう少し力を入れて」
「よっしゃ。ふんっ!」
「あっ…あああっ…」

ずるずるずる…ずぼっ!

さっきの蔓よりも格段に太い何かがぽんっと飛び出た。それは少し茶色がかった丸い蔓の塊だった。どうやら根っこが変形したものらしい。

これが私のお腹に入っていたのか。

私はまじまじとそれを見た。最初に入れられた数が全部発芽していたら大変な事になっていたんじゃないかと思ったらぞっとした。

「お腹…痛くない?出血とかひりひりするとかしない?」
「…んっ…特に何もないみたい」
神官のお兄ちゃんは心配そうに覗き込み私の返事を聞くとほっと息を吐いた。

「丸まってるから大丈夫だと思うけど。念のため呪文をかけておくね」
そう言ってお兄ちゃんは治癒の魔法を私のお腹にかけてくれた。

←前|次→
目次|
inserted by FC2 system