■ジュリアの騎士様(4)

「ほえええ…」

すごい。すごい…ナイトさんみたい。格好いい…。

彼女は彼を見てかあさまからよく読んで頂いたお話に出てくる騎士を思いだしていた。

「さて…」
彼は最後にジュリアを捕らえている男ののど元に剣先を突きつける。

「大人しく警備の詰め所に俺と行くか?それともここで一生を終えるのとどちらが良い?」
にっこりそう笑いながらのど元の剣にすこおしだけ力を込める。

「わ…わかった…付いていく…だから剣を離してくれ…」
「彼女を離すのが先だな…」
彼女を捕まえていた手が緩む。彼女はすぐさま自分を助けた彼の後ろに回り込んだ。

「さあ、大人しく付いてきてもらおうか?」

「助けてくれてありがとう。おじさんすごく強いんだね」
ジュリアは素直にお礼を言った。

彼は複雑そうに笑いながら
「おじさんはひどいな…俺まだ20になったばかりなんだぞ」
「でもジュリアよりずっと年上だもん」
「確かにな。でもおじさんはちょっとな…」
そう言って彼は頭をかいた。

「おじさんの名前は?」
「クロードだよ。クロード・シグラル」
「へえ…クロードって言うんだ…」
「君は…ジュリアって言ったな。どうしてあんなやつらに捕まっていたんだ?」
「知らない。急にぶつかってきて元々割れたものを弁償しろっていうから当たり屋さんなんかやったらダメだよって言ったらあそこに連れてかれたの」
彼女は頬をふくらませて怒りながら答える。

クロードは笑いながら彼女の頭をぽんぽんと叩いた。
「ジュリア全然悪い事言ってないのに…」
「あいつらには悪い事だったようだな…」
「ぷう…」

「ところで…その格好からすると…『混ざり者』のお嬢様ってのもあんまり聞いた事がないがジュリアはどこかのお嬢様なんだろう?供は連れていないのか?」
「うん。ジュリアね、お兄ちゃんに会いに一人で来たの」
「お兄ちゃん?」
「うん。クレアお姉ちゃんと結婚してこっちの街に来てるんだよ。今日はお祭りがあるから遊びにおいでって手紙をくれたの。久しぶりに会えるからジュリア楽しみなの♪」

「その家はどこなんだい?」
「ん?」
「ジュリア一人じゃ心配だから俺が付いていってやるよ」
「ほんと?」
「ああ…またあんな目にあうかもしれないからな」

彼女は目をぱちくりとして彼を見た。そして嬉しそうににっこりと笑った。
「ジュリアを守ってくれるの?」
「…ま、そんなようなものかな?」
「わはっ…じゃクロードはジュリアの騎士さんだ♪」
「騎士って…そんな大層なもんじゃないぞ。俺は一介の神官戦士で…」
「いいの♪ジュリアの騎士さまなの」
彼女は彼の手に腕を絡めた。

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