■ジュリアの騎士様(9)

…何をやっているんだ?俺は。ジュリアは俺を信用してここで寝てるんだぞ。

パンッ!
冷静になり彼は自分の頬を両手で挟むように叩く。

こんな小さな子供が…寝ているのを良い事に…いたずらをして…抱こうとするなんて…

そしてまた彼女を見る。彼の葛藤などまるっきり気づかず気持ちよさそうに眠っている。

こんな…色気も素っ気もないお嬢ちゃんに欲情するとは一体…今日の俺はどうしちまったんだ?

彼の中で理性と欲望とが戸惑いながら喧嘩をする。必死に欲望を抑え込んだ辺りで妙な事に気がついた。

何だか腰の辺りになま暖かい感触がする…

それは彼女のお尻からだんだんと広がっているようで慌てて掛布をはねのけるとしっかりと黄色いシミが出来ていた。

「…おーい」


クロードに慌てて起こされ、自分がおねしょをした事に気づくと彼女はしゅんとしょげて下を向いてしまった。

うむ…オレの方は着替えがあるからいいとして彼女は…不幸中の幸いというか肌着を俺がまくっていたお陰か被害はないようだ。しかし…誰がおねしょはもうしないって?何のかんの言ってもお子さまだな…。

クロードは着替えをすると宿の主人をたたき起こし、替えのシーツを貰って苦笑をしながら交換を始める。 さっきまで高ぶっていた気持ちもこの騒動でかなりひいた。

あんな子供に手を出そうとするなんて俺もどうかしてる。
間違いを犯す前でよかった…。
そう…ほっと息を吐く。

汚れたシーツをどけ、床の隅に丸めて寄せると貰ってきたシーツを適当にベッドにかぶせた。掛布が濡れていなかったのも運がいい。シーツを敷き終わり、彼女の方を見ると彼女は上目遣いですごく怯えながら彼の方を見た。彼は怪訝に思いながら彼女に声をかける。

「ジュリア…どうした?」
「…ごめんなさい。クロードの服とベッド汚しちゃった…」
「ま、しょうがないさ…」

環境が変わった所為かもしれないしな。

彼は大して気にもとめず返事をする。

「さ、そんなところに突っ立ってないでこっちにおいで。シーツは替えたからもう寝られるぞ」
彼女は少し後ずさりながら彼に聞いてくる。

「…クロード…はジュリアのお尻叩かない?」
「は?」
「だって…ジュリアいつもおねしょするとかあさまにおしりぺんぺんされるもん…クロードは…しない?」

あのなぁ…俺はジュリアの父親じゃないんだからさ…

と思いながらも半べそをかいた彼女を見ていて…怯えた表情が妙に何というか…

ごくり…と無意識に唾を飲み込む。

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