■ジュリアの騎士様(15)

「魔族のクライン子爵って聞いた事はないか?」

クライン…確か先日魔族で初めて爵位を国王から戴いたと聞いた覚えがある。

「ジュリアはその跡取り娘だ。かなり大事にされている。その愛娘を一介の冒険者におもちゃにされたと知ったらきっと見つけだして半殺しどころか存在消されるかもしれないぞ。父上は普段温厚だが怒ると何をするかわからんからな…」
彼は脅かすようにクロードに言う。

── クライン子爵の娘ぇ?

彼女は彼と目が合うとにっこりと笑った。

確かに魔族なら混ざり者の娘がいたっておかしくない。良家の娘だとは思ったが…子爵の娘だぁ?

「まあ…父上の事だ。きちんと責任をとれば別段気にもしないと思うが、もし、逃げようとしたらもちろん命はないものと思って貰おう」
殺気をしっかりと発しながら彼は脅しをかけた。

な…な…な…

「ま、お前にとってはかなりの玉の輿になるはずだぞ…何せ子爵の家に婿にはいれるのだからな。しかも愛しいジュリアと一緒にもなれる」
「クロード。よかったね♪」
ジュリアはクロードに思いっきり抱きついた。

よかった…?俺はまだ…身を固める気はこれっぽっちも…する気はなかったんだぞ。…しかもこんな…

クロードはジュリアを見た。無邪気にこにこと彼を見ている。

確かに可愛いいし………玉の輿かもしれんが…俺はまだ…世の中を旅したりいろいろな冒険をしたり…

「…クロード…ジュリアの事おもちゃにしたの?」
悲しげな顔のジュリアに聞かれる。

「いや…そんなつもりはなかった…」
…と答えるしかなかったのだが。

「…だったら嬉しいよね。ジュリアとずっと一緒にいられるんだよ♪」
「ははは…」
クロードは己のやった事に思い切り…後悔をした…

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