■ジュリアの旦那様(1)

おはよ〜。クロード朝だよ。朝。朝食のしたく出来たって」
掛布を引っぺがされてまぶしい光が目に入る。

「ん…」
「もう。クロードったらお寝坊さんなんだからぁ」
にこにこしながらかいがいしく起こすのは俺の妻のジュリアだ。妻って言ってもまだ成人もしていないし、魔族の血の為か外見も若く、ひらひらのエプロンドレスにリボンなんか付けてるから下手をすると俺の子供にすら見られかねない。

そんな彼女と俺…いつの間にか一緒になったんだよな…。信じられない。
本当にいいのかね。こんな得体の知れない一介の冒険者を家の跡継ぎと一緒にさせて。


彼女を抱いた翌日──
彼女と一緒にこのクラインの屋敷に来て彼女が俺と結婚をしたいと言うと、
「ジュリアは昔から人を見る目がありましたからジュリアが気に入ったのでしたら反対をする事もないですね」
何てにっこりと…ジュリアの父親…俺で言うところの義父は寛大にも俺が彼女に手を出した事を気にもしない。

「本当にいいのか?俺はこの家の跡取り娘を騙して犯した男なんだぞ」
と言いたかったが彼の兄の話だと彼女の父親は怒らせないのが賢明と言われていたから俺は成り行きを見守るしかなかったのだが、知らぬ間に結婚をいつにするか何て話題で親子3人で盛り上がってたぐらいだ。

貴族の考える事はさっぱりわからん。 いや…この場合魔族というのかこの家の者…と言うべきか…

「昨日もリデアのお勉強で寝るの遅かったの?」
俺がぼんやりと考え事をしていたから眠いんだと勘違いしたらしい。心配そうに俺の顔を覗き込む。
「ああ…完璧に出来るまでってなかなか部屋に戻してくれなかったんだよ」

あれから…ジュリアの夫になるんだからゆくゆくは子爵をついでもらわなくてはいけないから…と執事のリデアが礼儀作法だの決まり事だのを頭の中にたたき込むようにしてくれているんだが彼が仕事の合間に教えるからどうしても夜に教わる事が多くなり、また彼も俺を気に入ったのかどうなのかかなり熱の入った指導で必然的に寝るのが遅くなる。

…朝起きるのがつらくなる訳だ。

「んっしょ…」
「ん?」
ジュリアがベッドに上がり俺をまたいでちょこんと座った。そしてそのまま俺の方に倒れ込んで俺に口づけをしながら抱きついてきた。

「えへへ…おはようのキスだよ。クロード目が覚めた?」
「ああ…覚めた。ジュリア…ありがとな…」
俺はお返しとばかりに彼女の頬に口づけをする。

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