■幼姫無惨10(1)

「…ん…え?…あれ?私どうしてここに…?」
彼女が目覚めるとそこは主である男の寝室。

夕べはたしか調教部屋で気を失ったはずで、その様な時にはいつもなら自室のベッドに寝かされていたはずだ。それにこのベッドに入る事は基本的には禁じられていて…前に男がいない時には後でひどいお仕置きをされた。

…私、寝ぼけてここに来ちゃったの?
気配を感じて横を見た。
「!」
少女の主が寝ている。

…寝ぼけてきっと潜り込んでしまったんだ。いそいで出ていかないと…。男が目を覚ましたらきっとまた激しい責めをされる。最近は主人も自分に対して気のせいか優しくなった気がする。だから、前のように冷たくされるのは何としても避けたい。

少女は男が起きないように祈りながらベッドから降りる。
そっと…そっと…
「…起きたのか?」
声が聞こえて、そちらに目をやると彼女の主人が少女を見ていた。
「あ…ご主人様…あの…申し訳…」
「何を謝っているんだ?」
「えっとあの…私…ご主人様のベッド…」

「私が連れてきた。だから別に気にしなくて良い」
「え?」
少女は耳を疑った。男は自分を部屋に入れて一緒に寝ていたと言っている。でも…自分がそこに寝るのを主は喜ばなかったはずだ…。
「何だ?聞こえなかったのか?」
「あ…いえ…あの…」
「ほら、こっちに来い。それとも用でも足しに行きたいのか?」
「え?いいえ。今、行きます」
彼女はどきどきしながら男のベッドに潜り込んだ。

「あっ…」
入った途端男に身体を抱き寄せられ彼女は小さく声を上げた。男は小さな彼女の身体を側に寄せるとそのままもう一方の手を彼女の身体に巻き付ける。
「…たまにはこう言うのも悪くない。お前がここに寝るのはこれで2度目だな?」
「…はい」
前は主人の留守に寂しくて勝手に入った。主人の匂いがして安心して…。でも…後で『牝の匂いで臭くした』と仕置きをされた。なのに今日は自分を連れて…しかも一緒に寝させてくれるなんて信じられない。

「お前が来て…もうすぐ一年か…」
「…そう…です」

一年前には自分がこんな状況になるとは思っても見なかった。こんな処遇になって…毎日悲観していた。そんなにか命を絶とうと思った事だろう。けれど、自分の命を犠牲にしてまで自分は生かそうとしてくれた両親に対し、それは出来なかった。ずっとこのまま辛い思いをして生きていかなければならない。…そんな風に思っていた自分が今ではこの生活に満足しているなんて。

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