■幼姫無惨12(2)

捕らえられた男は将軍から金で雇われたと言った。将軍は彼女が見つかった所為で自分が失脚したのだと勘違いをし、彼女が死ねばまた、自分が君臨出来るのではないかと考えたらしい。幼姫は一命を取り留めたが事態を重く見たクリスは彼女が死んだ事にして彼女の安全を確保した後に将軍を探した。その間に刺された傷の治療に専念をしていたのだそうだ。

そして…つい先日将軍が見つかって処刑が行われた。
これで彼女が実は生きていたと言う事を国民に伝えても問題はない。その発表をした後に彼女を王に即位させ、同時にクリスは少女との結婚を考えていた。これで完全にとはいかないが元の平和な国に戻る…そう思っていた。
しかし、少女は唯一生き残っていた国のプリンセスが亡くなったというニュースが流れても…確かに国葬の際には嘆き悲しんだ者も大勢いたのは知っていたが結局その国は変わらなかった事に気づいていた。自分はいてもいなくても、いい存在なのだと言う事を彼女は感じ取り独断でここに戻ってきたのだと言った。

「……」
話を聞いた男はあきれ顔で少女を見る。
「…無茶な事を…何を考えているのだ?」
「だって…どうしても私ご主人様の側に行きたくてご主人様に会いたくて…ずっとずっと辛くて…私…」
泣きそうな表情で男を見つめる。少女が一人でここに来たのだ。さぞかし苦労しただろう。
「…しかし…一国の姫がこんな所に…回りの者が探しているのではないのか?」

「…大丈夫ですよ。彼女が生きている事を知っている者は国でも極わずかの者ばかりですから」
部屋の外から声が聞こえてそちらを向くと前に少女を迎えに来た青年が中に入って来た。
「姫が毎夜泣くのです。あなたに会いたいと。この許嫁である私の目の前でですよ?」
呆れた様子で青年は男に語りかける。

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