■幼姫無惨12(4)

「ご主人様…」
「…まったく。よく戻る気になったものだ」
「ご…も…申し訳ありま…」
「よせ。何も私は怒って言ってるのでは無いのだからな」
男は軽く笑う。

「…私はお前を優しくなど扱えないぞ?」
「それでもいいんです」
「前よりももっとお前に辛い事を強いるかもしれないぞ?」
「でも…私…ご主人様のお側に居られるのなら慣れるように努力します」
「…それにお前に飽きるかもしれない…」
「それは…」
男に言われ少女は眉をひそめて泣きそうな顔になった。

「そう…なったら…私…今度は本当に帰る所がない…からやはり売られてしまうのですか?」
「…かもしれないな」
ぽろっと少女の目から涙がこぼれた。
「…します。私、ご主人様に飽きられないように前よりもっともっとご奉仕します。私…!」
不意に唇を塞がれて言葉がとぎれる。
「んっ…んんっ…んふぅ…」
唇をついばむように触れられて…少女の口から吐息がこぼれ出した。

「はぁ…ご…主人様?」
「…苛めて悪かった。断言は出来ないが今のところお前を手放す気はない。安心しろ」
「だって…だって私…ご主人様と離れたら…って考えたら…自然に…」
くすんくすんと拗ねた口調で少女は男に訴える。
「悪かった。だから泣くな」

「ピアスは外したのだな?」
「…はい。クリスが…治療の際に他の者に見られては恥ずかしいだろうと…」
「ではまたつけ直してやらねばならんな。それは首輪と共に私の所有物であるという印なのだからな」
「…つけてくださるんですか?私またご主人様のモノにしてくださるんですか?」
「ああ、私の奴隷となりに帰ってきたのだろう?その格好は…」
普通にここに来ればいいものを…。執事も妙に凝った事をしたものだ。
「だって…そうしないと、ご主人様が私を受け入れて頂けないような気がした…から」
確かに気品溢れる姫の出で立ちでは自分も彼女を無理に返したかもしれない。

「それに…私はご主人様の…奴隷ですもの。この格好の方が私には相応しい…と」
言った途端恥ずかしくなったのか少女は慌ててうつむいた。不意に男は少女を抱き上げる。
「では早速つけてやろう。お前の意志が変わらぬうちにな」
少女は顔を上げる。その顔は嬉しさで輝いていた。
「あは…嬉しいです。私…私…」
「ふん。ここに戻ってきた事を後悔するなよ」
男は少女を抱きながら部屋から出ていった。

←前
目次|
inserted by FC2 system