■虫師の森(4)

彼の家に行ってから数日が経った。

「……やだ……また……」

お腹の下……というよりも足の付け根に近いだろうかそこがむずむずする。昨日からずっと。部屋に戻り下着を改めるとなぜかお漏らしをしたかのようにじっとりと濡れてシミになっていた。

虫師の家で虫に触れた覚えもないのだけれど寝ている間に刺されたのかな。でも、そんな跡は無かったし、だいたい虫はとなりの部屋にいただけで自分のいた部屋にはいなかったはず。ひょっとしたら変な病気にかかってしまったのだろうか。
気になっておつとめに身が入らない。

◇ ・ ◇ ・ ◇

「リア」
燭台を磨きながらそんな事を考えていると声がかかる。

「はい」
顔を上げると神父様の後ろには鍛冶屋の奥さんがいた。

一月ほど前から二日と置かずに教会に見える。悩み事があって神父様に相談に来ているのだという話だ。いつも明るい顔で帰られるから良いアドバイスを頂いていると思っていた。神父様は出来た方だから最後まで面倒を見ずにはいられないのだと思うけれどこんなにも長い期間通われるというのはよほど深刻な話なのだろう。

「リア、私はこれからアマデアさんと大事なお話があるので彼女が帰られるまで私の部屋に誰も通さないでもらえますか?」
「あ、はい。わかりました」


燭台を磨き終えると身体のむずむずと戦いながら自室に戻った。

「はぁ……」
下着を替えて大きくため息を吐く。

やっぱり私は病気になってしまったのだろうか。でも、下着を汚してしまうなんて神父様に言うわけにもいかないし。本当にどうしたら良いんだろう。

◇ ・ ◇ ・ ◇

身体の疼きは日を追う事に酷くなる一方だった。


「はぁ……」
洗濯物を急いで干し終えた。

周りを見回して。

……少しぐらい……いいよね。

教会の中庭は中に入らなければ植え込みのおかげで中を見ることが出来ない。人の来る様子が無いのを確認すると、私は入り口からは陰になる教会の壁にもたれた。

……少しだけだから。急いで仕事を済ませたから……だから。

だんだんとこの疼きに関してわかってきたことがある。疼くのは胸の先、と股の間。そこを弄って気持ちよくしてあげるとしばらくは疼きが止まると言うことを。

胸の先が下着で擦れるだけでもおかしくなってしまう。触れないようにするには裸でいるしかない。どうしようと悩んでいた時に、逆にしっかりと触れたらどうだろうかと考えた。

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