■虫師の森(6)

ぐちゅぐちゅぬちゅぬちゅ……。
かき混ぜてもっと気持ちよくさせて身体の高ぶりが大きくなっていく。

ああ、もう少しで満足できる……そうしたら……そうしたら……。

「リア」
「え?」
いきなり声をかけられて声の方を向いた。

「ああ、やっぱりリアだ」
「あ……」
虫師が私を見て笑みを浮かべ、中庭に入ってくる。

や、やだ……。

慌てて立ち上がろうとするとなぜだか足ががくがくして力が入らない。

どうしよう。早く立たなきゃ……。こんな姿見られたら……。

「どうしたの?そんな」

彼は、動こうとしない私に不安げな顔で足早に近寄ってくる。

「リア。ひょっとして具合でも悪いの?」

動かなくちゃと思うのに。胸をつまみ、あらわになった不浄の場所には指を入れたまま固まってしまって。

「リア……」
「あ……」
不審そうに覗き込んで目を見開く。

「おや?」
「……ぁ……ああ……」

見られた。
もうダメ。

「……あ……ごめん」
彼はそう言うと慌てて顔をそらした。

ど、どうしよう。神父様に知られたら。私……。

考えただけでもぞっとする。きっと、軽蔑をされるだろう。そしてひどく落胆されるだろう。自分が預かっている者がこんな……。

考えれば考えるほど悪い方向にしか考えが行かない。

「大丈夫だよ。見なかったことにするから」
「え?」
彼からの意外な言葉に驚いた。

「誰にも言わないよ。だから安心して……」
「で、でも……わた、私……」

だってこんな恥ずかしいことをしてるのを見られたのに……。

「でも、ちょっと不注意だったね」
私の側に跪くと胸に触れた手を離し、修道衣を下ろして胸を隠す。

「こういう事をするのなら部屋でしたほうがよかったんじゃないかな。ここは通りから見えないけれど、声は聞こえる。実際、僕はリアの声が聞こえたからここに来たんだ。とっても小さな声だったから他に気付いた人はいなかったみたいだけどね」

「……でも、私……こんな事……して……軽蔑……」
泣きそうになりながら彼を見ると彼は困ったように笑う。

「うーん。確かにこんなところでだったから実際驚いたけどね。年頃になればする事でしょう?」
「年頃……って……私……おかしく……ない……の?」
「おかしいと思ってたの?」
彼の言葉にこくりと小さく頷いた。

←前|次→
目次|
inserted by FC2 system