■虫師の森(11)

移動しなきゃ……。ここじゃ、神父様に聞こえちゃう。

足ががくがくして立っていられなくて扉のすぐ脇の壁にもたれながら腰を落とした。

どうしよう。こんな近くで……聞こえちゃう……。でも……したい……気持ちよく……したい……。
……そうだ。
声を出さないようにすればきっと神父様にはわからない。神父様が出てくる前に収めてしまえば。

足を広げて……修道衣を口にくわえた。こうすれば声が抑えられる。下着の間から指を入れるといつもこの状態になったときのようにぐちゃりと生ぬるいものが触れた。

ああ、こんなにも濡れて……る。

指を突起に触れさせた。
「んふぅ」

指を上からなぞるだけでは我慢が出来ない。皮を剥き、肉芽を露出させて指で直に触れた。

「ふぅぅぅ……」
また、どぷりと股間から液が出る。それを気にとめずにぬめって滑る肉芽を指でつまんで押しつぶす。

「ふんぐぅ……ふぅっ……ふぅっ……ふぅぅ……」
感極まって達すると身体が痙攣をし、びゅる……びゅると股間から液が零れて床を汚した。

「んふふ……んふっ……ふぅ……」

何も考えられない。気持ちいい……もっと……もっと……したい……。

カチャリ

「!」
ドアの開く音で我に返る。

「リア?」
神父様は姿が見えない私を呼んだ。私はあわてて修道衣を正し立ち上がる。座り込んだのがドアの死角だったのは運が良かった。

「リア……これを持って……おや?」
扉の前に急いで行くと、神父様は怪訝そうに私を見た。

「な、何か?」
「いえ。なんだか妙な匂いがしたので……」
神父様は小さく鼻を鳴らして周囲を見渡す。

「そ、そうですか。私は気づきませんでしたが」
「気のせいでしょうか。まあ、いいです。ではこれを虫師に……」

神父様からの書簡を受け取ってポケットにしまった。


「リア」
教会を出ようとすると神父様に呼び止められた。

「はい?」
「やはり先ほどの匂いは気のせいではなかったようですね」
神父様はそう言って私に近づいてきた。

「あなたから漂ってきているようです。これは……」
「気、気のせいです。私は何もしてません。あ、あの……遅くなってしまいますから。私……行ってきます!」

私は神父様が止めるのも聞かず、急いで森に向かった。


「まだ子供だと思っていたのですが……惜しいことをしたのかもしれませんね」
神父様がそんなことを呟いていたなんて思わずに。

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