■虫師の森(17)

「もう。売られたっていうのにまだ、リアはあの男がわからないの?あれは聖職者の仮面をかぶってるだけのどうしようもない女好きで、自分が良ければ他人がどうなったっていいって人なんだよ。リアは純真だったからその仮面に騙されていただけ」
「うそ……そんな……」

信じられない。だって、神父様は……私には何も……。

「リアに何もしなかったのはね、あの男は子供にはまるで興味がないからなだけで、リアが年頃になってもっとふっくらとしてきたら何かと理由をつけてリアを抱くつもりだったんだよ」
「そんなこと……」
「もう。僕の言うことを信用してくれないんだから」
彼は困ったように言い、私を抱きしめた。

「んあっ」
彼の身体に包み込まれる。胸が苦しいぐらいに脈を打ってドキドキが止まらない。

「ま、いいけどね。今こうしてリアを手に入れたんだし」
「あ……あの……あの……どうして……私を?」
「ん?」
「どうして……手に……入れようと……したの?」

虫師に気に入られるようなことをした覚えがない。それでなくったって森に行くまではろくに顔だって見ていなかったんだから。

「別に……一目惚れってわけじゃないんだ。最初はあんな神父のうわべに騙されて生懸命働いてバカだなって思ってたぐらい」
「バっ……!」
「ははっ。だって本当の事だもの。だから本当に来る度に呆れてた。でもね──。知らないうちに自然と目で追うようになっていてさ。気付いたらリアが僕の心の中を占めてたんだ。初めてだよ。今まで虫以外にはなんの興味も抱かなかったのにリアだけはどうしても手に入れたいって思ったんだから」

熱を帯びた瞳が近づいてくる。私はその不思議な瞳から目が離せなかった。

「んっ……」
唇が重なる。前に中庭でした口づけとは違う。しっかりと唇を塞がれ、何度も何度も唇を吸うように口づけてくる。浅く開いた唇から唾液が流し込まれ続けて彼の舌で口の中をまさぐられて身体が熱くなる。頭がぽうっとなってただされるがまま。

「んっ……んふぅ……んっ……」
柔らかな気持ちよさが身体に巡っていく。決して嫌じゃない。もっと感じたい。

彼の首に手を回して抱きしめて胸板を肌に感じた。股間に手が伸び割れ目を優しくなぞる。そして時折思い出したように充血をした突起に触れてその刺激にまた身体を震わせる。

「あんっ……あっ……あっ……ああんっ……」
私は身体を引くつかせながらそのたびに声を上げた。


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