■虫師の森(24)

それから──

「ん……んあっ……あっ……」
お腹の中の虫が蠢き、そこから生まれる疼きに私は悶えていた。


カインの花嫁である私の仕事は虫たちのゆりかごになること。彼の大切な虫達の卵をお腹の中で孵化させて出てくるまでそれを育てることなのだけど、様々な虫を育てていくのに私の身体を変えなくてはいけないのだそうだ。

「今のままでもいいけど育てられる虫も限られるし、リアは特別だから大切にしたいんだ」

そう言ってこの時期にはなかなか手に入らないこの虫をカインは私のために手に入れてくれたのだと言う。

この虫は孵化してすぐに産むことも出来るのだけれど、そこで体外に出さずにある程度の大きさまで育てると母胎を伸縮性に富んだ体質に変える体液を出すようになるのだそうだ。変えられた身体は仔牛ほどの大きさのものでも裂けることなく育てることが出来るようになるのだととカインは教えてくれた。
そんな大きさになる虫がいるだなんてあまり考えたくないのだけれど。今度の虫は孵化をしてすぐに出ようとする。でも、すぐに出さずにある程度の大きさにまで育てなくてはいけないからと秘部に栓がされた。そしてその上から栓だけを押さえるような形に作られた革の下着を履かされる。その下着は簡素な作りで外そうと思えば容易に外すことが出来る。そのため疼きに耐えられなくなった私が簡単に外さないようにと手足を固定されてしまった。

「どうしようもなくなったら言って、僕が慰めてあげるから」

そう言ったカインは今は森の様子を見に出かけていてここにはいない。タイミングの悪さに悲しくなる。

少し開かれたまま固定された足は広げることは出来ても閉じることは出来ない。せいぜい股をわずかにこすりあわせられるだけ。その程度の刺激では身体の火照りを紛らわせてくれる事はない。栓も虫を痛めるからとそれほど深くに入っているわけではなくて中途半端に秘部を刺激する。それが虫の動きと相まってただでさえ辛いこの疼きが数倍にも感じられた。

◇ ・ ◇ ・ ◇

「リア」
気がつけばカインが私を覗き込んでた。外から急いで戻ったらしく息を弾ませている。

「ごめんね。遅くなって」
「あ……」
「その様子だとだいぶ前から?」
「あ、うん」
彼に触れたくて手を伸ばそうとしても枷が邪魔をする。手は空を切り鎖がむなしくちゃらりと鳴った。

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