■オレの眠り姫2(2)


異性に対し、こんな気持ちになったのは初めてで、多分、これを世間一般的に言えば恋とか愛とか言うものなんだろうと思う。

出来るものなら無理矢理奪ってでも自分のものにしてしまいたいと思うが、彼女は相手も、結婚の日取りも決まっており、クレア本人も相手をかなり一途に好いているからオレは仕方なく諦める事にした。

どうせ落とせないのだから、会えなくなるのはちと寂しいが、さっさと結婚をしてオレの前からいなくなってくれるとどんなにか気が楽か。

そんな事を思いながらも相手よりオレの方が上だったら奪ってしまおうかと考える辺りまだ、割り切れてないのだろう…

◇ ・ ◇ ・ ◇

名前は前にクレアから聞いていたが問題はどこにいるかだな… クレアは相手の事をあまり話さないし、あまりよく知らないみたいだ。

クレアの家に直接聞きに行くのもな…こんな事ならリデアにでも聞いておくんだったな…

「…さーん」
ん?奴の名前が聞こえたぞ。どいつだ?オレは声の聞こえた方を向いて誰がそいつなのか様子を見る。

…20代前半の割といい面構えの男…賭博場から出てきたあいつだな。そいつに何か派手な女が駆け寄ってくる。この女がヤツを呼んだらしい。そいつはその女に肩を回して歩き始めた。

…昼間っから賭け事か…休みだとしてもあまり良い趣味じゃないな。それにあの女。どう見ても娼婦のようだが、あいつとどういう関係なんだ?

後をつけていくと、いかがわしい事をする専用の宿に二人は入っていった。 …おいおい。人違いならいいがこいつなら最低だぞ。クレアという婚約者がいるのに浮気をしてやがる。

…ここに入ったのならしばらく出てこないだろうからさっきの賭博場で奴の確認をしてみることにしよう。


しかし、この格好で賭博場に入るのはちょっとな…。今のオレは外仕様の格好だ。しかも制服を着ている。これではまずい。魔法を解くか…

オレは近くに路地を見つけると周りに知り合いがいない事を確認して中に入る。そこで魔法を解き、持っていた楽な服に着替えた。自主早退時の必需品だ。

「…ふう。やっぱりこの方が楽だな。調べ事をするならこの方が動きやすい」

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