■お姫様と…(7)

「くすくす…私の食事を変な目で見てましたけど、姫様ももうすぐ私と同じになるのですよ。ご主人様のアレがたまらなく美味しく感じるようになるんです。多分、後2、3日もすれば…」
「…それはどういう…」

「マリア。少しおしゃべりが過ぎますね。今はあまり彼女に知識を入れたくありません。席を外してもらえますか?」
「あ…申し訳ありません。ご主人様」
彼女は慌てて出ていった。


部屋には彼と二人だけになった。

いよいよ私を抱こうというのね。そうは行きますか。精一杯抵抗してアルバートが来るまで何としても耐えなくては。

私のそんな様子を見て彼は苦笑し、私に言った。
「姫。そんな恐い顔をなさらないで、私からは何もしませんよ。ご安心なさい」
「え?…何もしない?」

「姫様が私を受け入れたいと思うまで私は何もしないと言っているのですよ」
私は拍子抜けをした。

「私があなたを受け入れたいだなんて思う訳無いでしょ」
「ふふ…あなたは絶対に私を受け入れたくなりますよ。まあ、それまで気を張ってらして下さい」
そう言って彼は部屋から出ていった。

どういう事?

◇ ・ ◇ ・ ◇

…どうして…何で…また…こんな事を?

翌日、湯浴みを終え部屋に戻るとまた、あの食事の光景を見させられる。他の部屋に行きたくても足枷が邪魔をして移動が出来ない。なら、顔を背ければいいのに、私はその行為に釘付けになってしまう。

汚らわしい。不潔だわ。アレが食事だなんて。彼はマリアに何てひどい事をさせて…
違う…彼女は喜んでいる。嬉しそうにその食事を味わって一滴も残さずに口に含む。
あんなもの人間の食べ物じゃない。なのにどうして彼女は…

彼女は食事を終えるとまた、彼の衣服を正して身体を離す。
彼は私と2言3言話すとまた、部屋から出ていく。

彼がいなくなり、私は彼女に問いかけた。
「マリア。本当にそんなモノを食事としていていいの?満足な食事を与えられていないのではないの?何なら私の食事を分けてあげるわ。だからそのような事はおやめなさい」

「…いいえ。姫様、私には至高の甘露ですわ。姫様の食されるものは私には必要ありません。それよりも姫様…今日は食事を残されたようですね」

床に食事のトレーが置かれている。その器には半分ぐらい食べ物残っていた。一緒に添えられたワインだけが空になっている。いつもならばいつでもここから逃げれるようにと残さず食していたのだが今日は、食べたいという気が殆どおきなかった。


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