■お姫様と…(8)

「こんな所に閉じこめられているのです。食欲もなくなろうというものです」
「本当に食欲が無いのですか?食べられないだけではありませんか?」
「それはどういう…」
「私と同じ食事をとりたくなったのではありませんか?」
「な?…冗談ではないわ。あんなもの欲しくなる訳はないでしょう?汚らわしい」

「姫様…」
「え?」
彼女にいきなり両頬を抑えられて無理矢理に口づけをされる。必死に彼女から逃げようとするけれどすごい力でびくともしない。彼女の舌が私の唇を割って中に入る。私は歯を閉じて必死に抵抗をするが不意をつかれて中に割り込まれる。

彼女の舌は私の舌に絡みつく。ほのかに甘い味がして、私はなぜだかわからないがその味が無性に欲しくなり彼女の舌を舐め始めた。

その味がしなくなると今度はその味を探し、彼女の口の中至る所をなめ回す。どんなに探しても味がしなくなるとやっと正気に戻り、彼女が既に頬から手を退けているのに気づく。逆に私が抱きしめて彼女の唇を求めていたのだ。その事実に、私は恐れおののき、私は慌てて彼女から身体を離した。

「くすくすくす…ご主人様の甘露。美味しかったのでしょう?あんなに舌で私の口の中をなめ回して…本当はもっと欲しかったのでしょう?大丈夫、ご主人様だけのモノになればこれを思う存分飲むことが出来ますよ」
「じょ…冗談じゃないわ。こんな塔に閉じこめて…あなたにあんなひどい事をさせて…そんな人のモノになんてなりたくありません」

「ところで姫様。食事の他にここに来て何か身体の異変はありましたか?」
「身体の…異変?」
「例えば…排泄はいつからしておられませんか?」
「え?な…何を…いきなり…何て恥ずかしい事を聞くの?」
「いつからですか?」
彼女は真顔で尋ねる。

下着が汚れていたのかしら。ううん。そんなはず無い。昨日は全然…ぜんぜん?…そのような行為をして…いない?一昨日は…朝に1度…朝に?え?
「一昨日の朝…から?」

…いくら何でもおかしい。自分の…身体が…おかしくなっている。何故その異常に気が付かなかったのだろう…。

「…そんな…」
「では、失礼します…」
私がとまどっている様子を見て楽しそうに彼女は部屋から居なくなった。

ぱたん…

…そう言えば一緒に来ていた者達に一度も会っていない。今まで自分の事だけで精一杯でそこまで気を回せなかった。彼、彼女らは一体どういう扱いをされているのか…。ひどい事をされていないと良いのだけれど…。次にマリアに会った時にでも聞かないと…。

←前|次→
目次|
inserted by FC2 system