■お姫様と…(12)

…そう…だ。もし、私がここから助け出されて嫁ぐ事になったらメルフィンに彼は行く事が出来ない。私を拐かした張本人なのだから永遠にこれを飲めなくなる。そんな事…

「私とずっと…あなたが私のモノになって頂けるのでしたら私はあなたが望む時にこれを差し上げましょう」

彼の…モノに?私が…なるの?そしたら…ずっとこれを味わう事が出来る…の?

とくん…

「ご主人様のそれで下のお口に食事をさせて頂くと普通に味わうのとは違うすばらしい快感があるそうです。私が先ほど気持ちよくさせたのよりもっとすごいモノだそうですよ…」
マリアが言う。

その時の快感を思い出す。

とろ…

先ほどマリアに舐められていた箇所から何かが垂れてくる。

あれよりもっとすごいモノ?…あんなに気持ちが良かったのにあれよりもすごい…

そこがじんじんと熱を帯びてくる。

「ただ、私のモノになって頂くとなると、姫としての地位を捨てねばなりません。あなたはプリンセス・シルビアでなくなり、ただのシルビアになるのです」

姫としての威厳や存在を捨てて彼と…ずっと…過ごす…。あの彼から出される甘苦い食事。あれをずっと味わう事が出来る。メルフィンへ行ったらあれはもう二度と味わえない。

あれが欲しい…あれをずっと味わいたい…あれで気持ちよくして欲しい…

私…

「…あなたの…モノに…なりたい…これをずっと味わいたいの…」
「もう一度言いますが、私と契約すると言う事は姫ではなくなるのですよ。それでもよろしいのですか?」
「…だめ…これが味わいたいの…その欲求に抗えない…これを味わう為なら…姫である事を捨ててもかまわない…」
「嬉しいです。やっと私の願いが叶います…」
彼は私を抱き寄せた。私にそっと口付けてそして愛おしむように抱きしめる。そして抱きしめた後、身体を離し私を見据える。

「さあ、契約をしましょう。シルビア・ド・ルナール…。あなたは私が生きている間ずっと私の下僕として付き従って行くことを誓いなさい。あなたは私のモノであると誓いなさい」
私の胸に手を当てて彼はそう言う。

あんなにも彼のモノになるのを嫌がっていたのが嘘のよう。私はドキドキしながら彼の言った言葉を口に出す。

「…私は…あなたのモノです…あなただけの下僕としてずっと…付き従います…」
彼にずっと支配される存在となったという事が胸にすんなりと入っていく。
私はもう、プリンセス・シルビアではない。ただのシルビア。そして…彼の…彼だけのモノ。それが胸に刻まれる。それは甘い麻薬のように、ぞくぞくして身体が震える。

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