■魔法の薬1〜巨乳薬〜(1)

「わぁぁぁぁぁぁ!」
日曜日の朝。隣の憲くんの部屋から悲鳴のような声が聞こえて目が覚めた。

「どうしたの?憲くん」
私は慌てて飛び起きると隣の部屋の前に行き、煙の漂ってくる扉を恐る恐る開けて中を覗いた。栗色の髪の少年が尻餅をついて座り込んでいる。後ろを向いているからよくわからないけど怪我してないよね?

「……憲くん?」
「あはっ。あはっ。あははっ…あはははははっ…」
私が声をかけたと同時に彼はいきなり笑い出した。
「…憲くん。大丈夫?」
「…あっ萌ちゃん?」
慌てて部屋の中に入ると憲くんは申し訳なさそうに私に言った。
「ごめん。起こしちゃっね」
「うん。すごい悲鳴だったから。どうしたの?」
「あはは…ちょっとびっくりしちゃってさ」
「びっくり?」
「見てみて…これ」
憲くんが私の手を掴んで胸に…

むにゅっ…
「へ?へ?」
普段なら絶対に彼の胸から感じるはずのはない感触…。

「い…い…いやぁ〜!憲くんが女の子になっちゃった〜!!」

◇ ・ ◇ ・ ◇

私は森村萌。青南学院高等部2年の普通の女の子。彼は杉浦憲臣くん。私よりいっこ下の高等部の1年生。中高一貫のうちの学校に通うために中等部の頃から私の隣の部屋で下宿していて、ちょっとだけ日本人離れした容姿で童顔の可愛い男の子なの。
それで私の幼馴染みで従兄弟で
──私の彼氏さん。

◇ ・ ◇ ・ ◇

「驚かしちゃってごめん。胸を大きくする薬…一応成功したんだけどさ。予想したよりも大きくなっちゃったからちょっと驚いちゃったんだ♪」
憲くんはにこにこしながら私が入れたホットココアを一口飲んだ。
今日うちの親が一泊の旅行に出掛けて留守で良かった…。
「うーん。あれの割合をもう少し加減したらサイズを調整出来るかなぁ…それにちょっとこれはいくら何でも変わりすぎだから何かしたってバレバレだろうし…もう少し段階を踏みながら大きくなるようにならないものだろうか…」
何てぶつぶつ考え込みながら…大きな胸を物珍しそうに揉んだりしてる。
「誰からの依頼なの?」
「うーん。依頼人の名前はプライバシーに関する事だから言えないけど…貧乳に悩んでいる某先生…かな?」
「…憲くん…それでかなりしぼれちゃうよ?」
私は笑いながら該当しそうな先生を頭にリストアップ。
「萌ちゃんは想像付いても絶対に言わないでしょ?」
「うん。そりゃ言わないけどね」
憲くんはそう言う私の顔を見てにこっと笑い、ココアを一気に喉に流し込んだ。

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