■ゆきずりなふたり(6)

「…はぁ…はぁ…はぁ…ああん…もうやだぁ…」
「ディーさ…ん?」
「シェルぅ?」
やっと話しかけられていた事に気づいて彼の方を見る。ほとんど胸をはだけた状態。シェルは目のやり場に困っていた。

「ふぇぇぇぇん。シェルぅ…どうにかしてよ、これ。この薬っていつになったら効果が切れるの?」
私は半泣きでシェルに言った。
「…今頃効果が出てきたのか…」


「…さてと、この薬はどうやって解毒したらよかったかな…」
彼はどかっと床に座り込むと私を横目で見ながら解毒の方法を思い出そうとする。

「確かここらへんに何か書いてあったはず…」
懐のものと荷物の中をごそごそとやり、『うんちく帳』を取り出しパラパラとページをめくりながら
探している項目を調べている。


それをしばらくやっていると不意に動きが止まる。中をじっと見て確認をしているようだ。そしてそれを閉じる。

「ディー」
「は…い?」
ぼんやりと快楽に浸っていたが、シェルの声で覚醒をする。彼は申し訳なさそうな表情で私を見る。

「この薬なんだが…大体一晩効果があるみたいだ」
「え? そ、そんなにぃ? はぁ…解毒の方法とか…あ…ない…のぉ…?」
「自然に待つ方法以外で他にオレが知っているのは…その…なんだ…つまり…」
「もったいぶらないではっきり言ってよ!」
「ディーがオレかもしくは他の奴のでもいいんだが…子種を体内に入れるという方法だ…」
「はい?」

今なんと?

「…精子が解毒剤みたいなものなんだよ、この薬は。大体それ目的だからそんなふざけた解毒方法なんだろうが…」

…て事は…この辛いのを朝まで我慢するか、私…まだなのにそんな事して、なおかつ子種ですか? 何なのよ? それは〜!ほとんど子供を作るための薬じゃない!!

「…どうする?」
「どうするって言っても…何とかして欲しい…朝までこんな事するのも嫌だし…こんな所にいるのも嫌だよ。せっかく宿を確保してもらったのに…」
「いや…この際、宿は置いておいて…何とかって言ってもさっき言った方法しかオレは知らないぞ」

「…もういい…それでいい…早くこの状態がなんとかなればいい…すっごく辛いんだもん…」
「馬鹿…好きでもない男に抱かれてどうするんだよ。一生後悔するぞ」
「気が狂うよりいい…よ。それに…シェルなら…別に…かまわない…から…」

だんだんとまた、気が高ぶってくる。息も絶え絶えで、体が小刻みに震える。

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