■ゆきずりなふたり(9)

「…はあ…ああ…んっ…」
彼は徐々に抽送を早めていく。彼の荒い息づかい…時々気持ちがいいのか漏れる声…身体が痺れてきてたまらなくなってまた抱きしめる。

「…ディー…そろそろ出るぞ」
「う…うん…」
「くぅっ…うっ…」

途端、彼は私を力一杯抱きしめて私の中にその薬の特効薬を注ぎ入れた。

◇ ・ ◇ ・ ◇


行為を終え、彼は気まずいのか「縛り上げた盗賊達の様子を見に行く」と言ってそそくさと外に行ってしまった。

「…はぁ…」
私はまだ床に寝転がり、先ほどの行為の余韻に浸っていた。

…確かにシェルの調べた事だ…言った通り、てきめんに効果が現れた。すぐに疼きは治まり、楽になった。
それと引き替えにした代償は少々大きかった気もするが…相手がシェルだから…まあ、いいか…

私は身体を起こす。何かまだあそこに挟まっているような感覚がする。よろよろと立ち上がると床に血が付いていた。これが破瓜の時の血なんだろう。

私は大きく深呼吸をすると扉を開け、彼を探した。彼は盗賊達の側で座って見張っていた。彼らはまだ、眠り続けていた。

「シェル…」
「お?もう身体の方はいいのか?」
「うん…シェルのおかげでもう大丈夫。ありがとね」
私は精一杯の笑顔で笑う。
「いやいや…こちらこそごちそうさま」
互いに笑いあう。

ああ良かった…あんな事になって気まずくなるのが少し怖かったんだよね。息が合って、一緒にいても気を使わないし、そんな相棒ってなかなかいないんだもの。

「どうする?これだけのこんな状態の盗賊連れて行くの私ちょっとやだな」
私は盗賊達の方を向く。ざっと20人ほどだろうか、下半身丸出しの男が寝てる。

「賞金首だけ連れて後は街の役人に回収に来てもらうしかないかな…」
「街からそう遠くないし、今日は暖かいから裸のままほっぽっといても大丈夫だろうしね」
勝手な事をいう。

◇ ・ ◇ ・ ◇


私たちは荷馬車に乗り、街に急いでいた。
「香水瓶の中身少しなくなっちゃったけどお金もらえるかな…」
香水瓶を手にため息をつく。

「さあてね。ま、他の荷物もあるから多少はもらえるんじゃないか?それにオレ達、大した苦労せずに捕まえられたしな」
「でもなぁ…できれば普通の格好した盗賊を普通に捕まえたかったわ。どうせスリープが効けば苦労しなかったんだし」
「まあ。おもしろい話の種が一つ出来たって事でいいんじゃないの?」
「おもしろい話の種ねぇ…」

←前|次→
目次|
inserted by FC2 system