■ゆきずりなふたり(14)

「ところで、ディーさんの方は何とか治まったのか?」
「あはは…だめなの…自分でもしてみたけど逆に高ぶっちゃって…」
「治まってない…のか?」
シェルは露骨に顔をしかめた。

「うん…だからまた頼もうと思って…」
「お前な…もう少し身体を大事にしろよ…」
「…だけど飲むのでも良いんだったらあんな事しなくたっていいじゃない。ね?シェル…お願い…ちょっと飲ませてくれるだけでいいから…」
自分でも後から改めて思い出すと赤面するくらいの事を平気で言っている。

私はシェルにすり寄った。
「う〜む…」

その弾みか何か…ぱさりと体を隠していたシーツが床に落ちた。シェルは裸の私を見て慌てて体を引き離す。

「お、おい!ディー、お前、裸…」
「え? あ…だって…服着てると全身が擦れておかしくなりそうだったから全部脱いじゃった。シーツを羽織る方がまだましだったから…でも裸の方がもっとましなんだけどね」
本来ならば裸を他人に見られて平気な訳はないのだがあの薬の苦痛(快感?)が少しでも和らいだ為か何とも思えない。

シェルは慌てて床に落ちたシーツを私にかける。
「…頼むから隠してくれ…襲っちまいたくなるから…」
「ん…わかった」

私は、後ろを向いてそれを身体に巻き付ける。
「ん…あっ…ああん…」
シーツが身体に擦れて思わず喘いでしまった。

「ああもう」
シェルの声が聞こえたと同時に私はベッドに押し倒された。

「へ?」
「…ディーさぁん…何でそう無防備に人を誘うような事をするんだよ…。オレも匂いを嗅いだって言っただろう?」
「え?え?」

「昼間の事もまだ生々しく身体が覚えているんだ…そんな可愛い喘ぎ声なんか聞かされた日には理性が飛んじまう」
熱っぽい瞳で見つめられる。胸がきゅんとなる。すごくそそられる表情だ。

薬の所為だとはわかっていても、飲めば済むかも知れないと思っても彼を受け入れたくなってきてしまう。

「シェルいいよ。抱いて…」
私は両手を開いて彼を招く。
「ディー…」
彼は私に吸い寄せられるかのように身体を重ね…

◇ ・ ◇ ・ ◇


目が覚めた時には体中が痛かった。
寝返りをうとうと身体を動かすと腰に痛みが走る。

「うわっ…」
その痛みで目が覚めた。

「あいたたた…昨日は薬の所為でえらい目あったわ…」
腰をさすりながら昨日の事を思い出す。


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