■すまにーとばーわ(6)

「さて……」
足下の男を溶かしきるとお兄ちゃんは手足を溶かされた男に目を向ける。

「ひぃっ」
お兄ちゃんが近づくと男はおびえて身体をじたばたさせた。

「た、助け……」
「ああ、いいさ。頭からぶった切られたけど何ともなかったし……」
男は可哀想なぐらい顔を真っ白にさせる。

「リズの事を可愛がろうにもそれじゃ無理だろう。でも……」
兄ちゃんは男の股間に視線を移した。

「万が一って事もあるからこれは溶かした方がいいかな?」
「わぁぁぁ!!許してくれ!何でも言うことを聞く!だから許してくれ!」
手だけをあの状態にして、男の股間に近づけると男はめいっぱい身体を動かして許しを請う。

「わかった。オレの言うことに素直に答えてくれたら考えてやる」
男はかくかくとうなずき、お兄ちゃんはそれを見てにんまりと笑った。

「アジトはどこだ?」
「は?」

何でアジト?

「お兄ちゃん。街に行くんじゃなかったの?」
「ああ、気が変わった」
「気が変わったって……まさかアジトに行ってさっきの人たちみんな食べる気じゃ……」
「あっ。それもいいな」
「いいなって……違うの?」
「ああ」

何をするつもりなんだろう。

「ア、アジト……」
「そう、お前らの根城。この辺にあるんだろう?教えてくれないか?でないとさっきの男みたいに少しずつ溶かすことになるけど。いいか?」
お兄ちゃんが凄味を利かせて言うと男の顔は真っ青になった。

「い、言います!言いますからっ!」


お兄ちゃんはアジトまでの道を聞いた後、すぐさま男を溶かしてしまった。


「ひどい。ちゃんとアジトの場所を言ったのに」
「何を言う。すぐに楽にしてやったんだからいいじゃないか」
お兄ちゃんは平然と言う。

「だいたい考えてやると言っただけで切られた事を許したわけじゃないし」
「そりゃ、そうだけどさ」
「それにあのままあそこに放っておいても仲間に助けられる可能性は低いぞ?何せ、這いつくばる事しか出来なくなったただの役立たずだからな。あっさり殺されるか、放って置かれてのたれ死ぬかだ。だったら早々に引導を渡してやるのも親切ってもんだ」

そんな状態にしたのはお兄ちゃんなんだけどなぁ。

お兄ちゃんに見えないようにため息をつくと、お兄ちゃんは「それに」と言葉を続けた。

「せっかくの獲物を食いかけにするのはどうも好かん」

やっぱ、そっちが理由ですか。

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