■すまにーとばーわ(11)

そういう種族であるためか彼らは人間の女性を捕らえるために匂いを出す。この匂いの効果は短時間だけれど効果は絶大で、嗅ぐと途端に欲情してしまうのだ。実際、このスライムの匂いを抽出して催淫剤をつくる薬師もいるそうだけどこのスライムを捕らえること自体がなかなか出来ない為、あまり出回ってはいない。

話は逸れたけれど、この匂いを嗅いでしまうと欲情してしまうため身体を持て余して動きが鈍った所で簡単に捕らえられてしまうのだという。また、犯されてしまったら最後、快楽に溺れてしまい、逃げる気力を失ってしまうのだ。

本体がスライムであるところのお兄ちゃんも、もちろんこの匂いを自在に出す事が出来るけれど、無用なトラブルを避けるために普段は出さないようにしている。そのお兄ちゃんがこの匂いを出したって事はしたいって事なんだろうけど……。

「……お……お兄ちゃん……?」
「どうした?」
耳元に息がかかりまたがぬるくなった。

「ひゃ……い、息を吹きかけない……でぇ……」
「何で?」
「ひゃう……だ、だってぇ……」
「リズはここ弱いもんな」
お兄ちゃんはくすくす笑う。

「わかってるなら……うっ……ひゃぁ……」
「でも、やりたいんだよな」
「ふぁ……あう……あうあう……」
また息を吹きかけられて、力が抜けた私はへなへなと膝をついた。お兄ちゃんは笑って私を支える。

「大丈夫か?」
「よ、弱いとこ……攻める……から……」
「だってリズの反応がいいとこだし」
「ひどいよぉ。匂い……使うなんてぇ……」
「だってお前、そうしなきゃ有耶無耶にするつもりだったろ?」
「うやむ……?」
「目の前のごちそうを我慢した見返り」
「へ?」

そう言えば、確かに覚悟しておけとかなんとか言っていたような……。でも、あれはごちそうと呼ぶにはどうかと。

「で、でも……少しお金も貯まったし……次の街は大きいから……たまには贅沢してそこで……美味しいもの……食べようって……言ってたでしょ?そっちの方が人を食べるより……絶対に美味しいのに……」
私は悶えながらも口を尖らせる。

「オレに取っちゃあっちのが良いだろ?盗賊だから喰うだけで世のため人のためだ。しかも大量だったんだぞ。それをリズの願いを聞いて涙を飲んで我慢したんだ」
「わかるけどぉ……」

それでも数人は食べてたじゃない。

「てことで、今からご褒美タイムだ」
「ええ〜!?」

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