■犬が欲しい−その後− ウェイフ作(2)

……ただ、賢すぎるというのも玉に瑕で、自分で犬用トイレを用意してそこに用を足そうとしたのには、本当に焦ったが。
 何はともあれ、普通の犬ではないということを除けば、彼女が我が家の一員になったことは、いいことずくめだった。
 オレが彼女をただの犬として見ることが出来れば、何の問題もないのだ。

 ――そう、何の、問題も……
 
「わんっ!」
「……お腹……空いてる、のか?」
「わんっわんっ」

 オレが回想にふけっている間に、彼女は餌の容器を咥えてきていた。
 ……まゆのやつ、昼飯をやるのを忘れたな。
 一応彼女は『子犬』なので、一日三食餌をやっているのだ。

「分かった。ちょっと待ってろよ」
「わんっ!」



「え〜っと、ミルクは……駄目だ、切れてる」

 普段なら入っているはずの牛乳が見当たらない。どうやら朝の時点で切れてしまったらしい。

「くぅ〜ん」

 餌にありつけないと分かり、がっくりとうなだれる彼女。さっきまでピンと立っていた耳も垂れ、当たると痛いほどに振れていた尻尾も力なく地面を叩いていて、その落ち込みようは見ているこっちが気の毒になる程。

 ……仕方が無い、コンビニに行ってくるか。

「ちょっとコンビニに行って」
「わん!」
「わぁっ?!」

 いきなり飛びつかれ、バランスを崩した。

「わん!」
「こ、こらっ、くすぐったいぞ」
 
 仰向けに倒れたオレの上に、彼女が覆いかぶさってきた。本物の犬のように、ペロペロと顔を舐められる。
 彼女の舌から逃れようにも、オレの上で伏せの体勢になっているから、身動きが取れない。
 おまけに、弾力のある胸をグイグイと押し付けてこられるものだから、気になって気になって……


 ……しまった。意識してしまった途端、勃ってしまった。
 あっ、こらっ、そんなに腰をグリグリされたら……

「くぅん?」
「い、いや……これは、な……」

 ……まずい、これはまずい。
 今まで必死に理性を保ってきていたのに。
 頑張って『彼女は犬だ』と何度も何度も言い聞かせてきたのに。
 
 それにしても……本当にいい体つきをしている。あの谷間に顔を埋めたら、どんなに気持ちいいだろう。
 体を撫でてやるふりをして、無防備なあそこを悪戯したら、どんな反応がかえってくるだろう。

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