■秘密のお茶会(2)

「嫌ならしなきゃいいんだ」
「むう。だって座らないとクッキー食べちゃ駄目って前に言ったじゃんか」
「うん。その通りだ。オレが決めた決まりだからな」
「だから、おとなしく言う事を聞いているんだい」
「いやしんぼ」
「何よ。いじわる」
ふくれっ面をしてにらむと彼はいつもの様に気にもとめず皿からクッキーを一枚取り上げると口にくわえた。彼は不敵な笑みを浮かべながらくわえたクッキーをゆさゆさとゆする。
ほれ、食いたいんだろうがと言ってる気がして私は彼のくわえたクッキーを口で奪った。

もぐもぐもぐもぐ……。

慌てて食べたら勿体ないからゆっくり味をかみしめる。

もぐもぐごっくん。

うん。やっぱり美味しい。甘さが絶妙だし、口辺りが最高。名残惜しいぐらいに潔く口の中に溶けて消えちゃった。

「次、食うか?」
「うん」
「んっ」

ぱくっ。
もぐもぐ……。

少しだけ唇が触れたけどこんなのはこのお茶会では日常茶飯事。

「あ、次……お茶欲しい。お茶」
「んっ」
彼は私を膝においたまま片手で器用にお茶をカップに注ぐと、そのお茶を口に含み、そのまま私の唇に唇を重ねる。彼から適度にぬくまったお茶が口の中に流れ込んでくる。猫舌の私には丁度良い温度。

ごくごく……こっくんっ。

……はぁ。つかさくんの入れてくれるお茶も美味しいなぁ。
ほうと息を吐く。
これが一番の至福の時なんだよね。


「……みんなも誘いたいなぁ」
「却下」
「つかさくんがこんなに美味しいクッキー作るなんてみんな知らないよ?」
「知らなくていい」
「教えてあげたいのに」
「必要ない。オレが食わせたいのは凪だけだ。それに皆を呼ぶとお前の食える量が減るぞ?」
「その分作ってもらうもん」
「やだね。これは凪だけに作ってるの。他の奴に食わせるぐらいなら作ってやんねー」
「自分勝手だなぁ」
「どっちが……おい。次が最後だぞ」
「あ、食べる食べる」

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