■秘密のお茶会2(4)

「けど……お前……小谷と付き合うんだろう?」
「はあ?何で小谷くんが出てくるの?」
「だって……さっき、帰りにあいつ……」
「あ、見てたの」
「横向いたらお前と小谷が話しているのが目に入ったんだよ」
凪は「なあんだ」と言っておかしそうに腹をかかえた。

「なんだよ」
「あはは……それ違うよ。あのね。小谷くんは私に映画のチケットを渡しに来ただけなんだよ」
「は?」

「小谷くんはね、デートに映画を見ようと思ってチケットを買ったの。でも、その映画は真美ちゃんが大嫌いな映画だったんだ。だからその券が無駄にならないようにって私にくれただけなんだよ」
「でも何で凪に?」
「真美ちゃんから聞いたって、私、真美ちゃんと仲良いから」

「真美?」
「菅沼真美ちゃん。同じクラスだけど……ひょっとして覚えてないでしょう?」
「ああ。菅沼。点呼の時にそんな名字呼んでたな」
「同じクラスになってから半年経ってるのに。その分だと顔も覚えてなさそうだね」
苦笑いをしながら凪は言った。

「興味ないものは覚えられないの。けど何でその子の名前が出てくるんだ?」
「真美ちゃんと小谷くんはね、つき合ってるの。小谷くんベタ惚れなんだよ」

つき合ってるって。

「何で教室で渡さないんだ?それに菅沼から渡せばオレは誤解しなくてすんだのに」
「ホラーなんだよね。その映画。真美ちゃんって、超恐がりだからそのチケット持つのなんか問題外で、持ってる小谷くんと一緒にいるのも、タイトル聞くのもやだって言われて、今日一日側に寄ってもくれなかったんだって」
「……それは、それは」

「で、放課後真美ちゃんから私が見たがってたっていうメールが届いてて、急いで届けに来たんだって」
くすくす。その時の事を思い出してか凪は笑う。

「デートにホラー映画選択する方もどうかと思うけど、小谷くん半泣きなんだもん気の毒になっちゃった」

楽しそうに見えたのは勘違いだった……のか。

オレはその場に崩れるようにして座り込んだ。

「どしたの?」
「……気、抜けた。オレ、小谷と凪がつき合うんだとばかり……」
「やだな。勘違いして。だいたい、小谷くんと真美ちゃんが付き合い始めたのは最近だけどいつも二人でいるから誰でも知ってるよ」
「オレが気づくわけないって」
「そういえばそうだね。つかさくんって本当にそういうの興味ないから」
凪はひとしきり楽しそうに笑った後、座り込んでいるオレの前にしゃがみ込んだ。

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