■秘密のお茶会2(5)

「ね?つかさくん」
「ん?」
「勘違いしたのはわかったけど、どうしてあんな事言ったの?」
「何が?」
「私とキスしたいって」
「……」
つかさくんは困ったような顔つきで黙り込んだ。

「聞きたいんだけどな」
「……」
まだ、だんまり。

「ひょっとしてヤキモチ……とか?」
「……悪いかよ」
顔を真っ赤にして言い返すつかさくんはまるで子供みたいだ。

「変だよ。それ」
「……わかってるよ。どうせ今日のオレはおかしいよ」

恥ずかしいのかぷいっと横をむく。その仕草が何だかとっても愛おしくてつかさくんを抱き寄せると私の方から唇を重ねた。

「……凪?」

唇を離すとつかさくんは面白いぐらい目を大きくしていた。

「ね?つかさくんとキスするの嫌じゃないってわかってくれた?」
「あ、ああ」
つかさくんは驚いた顔で自分の唇に指を触れさせた。

「信じられねー」

自分でも信じられないよ。自分からキスするなんて思っていなかったんだもん。

「もう。勇気いるんだぞ。自分からキスするのって」

クッキーを食べる時とかお茶を飲む時とかしちゃってるような気もするけどあれはノーカウントだもん。だからこれがファーストキスなんだから。

照れ隠しに言うといきなりつかさくんに抱きしめられた。

「……つかさくん?」
「悪い、確認させてくれ。凪はオレの事を嫌いじゃないんだよな?好きなんだよな?」

つかさくんも信じられないんだろう。

「あ、あったりまえじゃん。何言ってるのよ。好きじゃなきゃいくら美味しいクッキーだって口移しなんかで食べないよ」
って言ったらもっと抱きしめられて、苦しくて思わず身体を暴れさせた。

「ちょっ……ちょっと苦しい……それ苦しいって」
「あ、悪い」
つかさくんはあわてて手を離す。

「……やっぱり気がついてなかったんだ」
「わかるかよ。ちっともそんな素振りしないんだから」
「だって、バレンタインにチョコあげたでしょう?」
「……他の奴にも配ってたじゃないか」

「ひどいなぁ。つかさくんのだけ大きかったんだよ。そりゃ……ものすごく違う訳じゃないけど見ればすぐわかるぐらい」
「……悪い。オレ他のやつのなんて全然見てない。凪が同じように配ってるから一緒なんだろうって」
「同じように配ってたのは照れ隠しだもん。でも、ちょっとぐらい気づいてくれていいんじゃない」
口をとがらせるとつかさくんが慌てた。

←前|次→
目次|
inserted by FC2 system