■秘密のお茶会5(5)

口に入れた途端に甘い匂いが口の中一杯に広がってつかさくんのと同じぐらい口の中で溶けちゃうの。

「まあ、あのお袋が買ってきたんだからまずくはないはずだけどな。ほら、んっ」
つかさくんが口にくわえて私に差し出す。それを口で受け取って。

わお。これはナッツだ。

香ばしい香りが口の中に広がった。

「美味しいねぇ。つかさくん」
そう言ってつかさくんを見ると何故かふてくされたような顔をしていた。

「オレ、まだ食ってないから」

なるほど。機嫌の悪い顔は私に食べさせてる所為で食べてないからか。どうせなら美味しいものは一緒に分かち合いたいよね。
だから。

「だったら食べよ。美味しいよ?」
「いや、いい」
そう言って缶を指さすとつかさくんは首を横に振った。

「どうして?」
「美味いんだろう?凪が食えばいいさ」

本当は食べたいんでしょ?だからそんな顔してるんでしょ?

「でも、おばさんがつかさくんに買ってきたんだよ?私が全部食べちゃったらだめだよ」
「いいんだってば」
「だったら何で機嫌が悪い顔をしてるの?おかしいよ」
「それは……」
「つかさー。私にも少し分けなさーい!」
つかさくんを問い詰めていたら突然ドアが開いておばさんが部屋に入ってきた。

「お袋?」
「え!?」
「つかさ……?」
おばさんは目をまんまるくしてこっちを見てる。

「おばさん?」
「まあまあ。ごめんなさい。お邪魔しちゃった?」

はい?

「つかさ」
おばさんはいそいそと部屋を出るとドアを少しだけ開けてつかさくんに声をかけた。

「今日はお父さんとこっちに泊まるから、そのお土産一種類ずつ2個は残しておくこと。それと後持ってきて」
「わかった」

おばさんは「それから」とまじめな声で言葉を続けた。

「あんたまだきちんと責任がとれる年じゃないんだから、無責任な事はしないこと」
「ああ、わかってる」
「ならいいわ。じゃあ」
おばさんは手をひらひらさせてドア閉める。

私はおばさんが言っている意味がわからなかったのだけれど、つかさくんはドアを見ながら苦笑いをした。

「まいったな」
「え?」

そう言えば私、つかさくんの膝をまたいでる……よね?つかさくんはズボンを履いているけれどあの位置だとテーブルでよく分からないから、エッチしているようにも見えた……り……して?

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