■秘密のお茶会5(6)

「わ、わ、ひょっとしておばさん勘違いしたの?」
「勘違いでもないと思うが、そんなもんだ」
「そんな平然と」
「別に?どうせしてるだろ?」

あう。

「そ、そりゃ……してる……けどさぁ」
「なら、今ばれたって関係ない」
「そういうもの?」
「あのお袋に関してはそうだな」

よくわからないよ。

首をかしげる私に「ま、おまえにゃ迷惑かけないから」なんて軽く笑って、つかさくんは私の頭を撫でた。

「ほら、次は何食べるんだ?」

次?

つかさくんの指が指し示した方向はクッキー缶。

えっと、でもね。今はおばさんの方が問題なんじゃないかな……なんて……。

でも、目はクッキーに釘付け。

さっきの美味しかったなぁ。

つかさくんが良いって言うならこの件はいいんだろう。

「あ、そのオレンジのピールが乗った……じゃない。つかさくんも一緒に食べようよ。おばさんのお土産だし、美味しいのを分かち合いたいんだってば」
「だからオレは食わねえって……」
「何で?」
「美味いんだろう?食えばいいさ」

そう言いながらもまた不機嫌な顔に変わってる。

何か言ってることと顔が合ってないよ?訳わかんない。

私はつかさくんの首に回していた手を離して缶から一つクッキーを摘んで口にくわえた。

「んー」
「な、何……だぁ?」
何故か素直じゃないつかさくんの口にクッキーを入れてやる。つかさくんは観念したようにそれを口の中に入れ、もぐもぐ。

「ね?美味しいでしょ?」
「……ああ」

でも、どうしてその仏頂面が治らないかなぁ?ほら、眉間にしわ寄せて。そのまま癖がついちゃうぞ。
それにしても美味しいものって気持ちが穏やかになるはずなのに。なんでならないかなぁ。私なんかどんなに怒っていても絶対機嫌が直っちゃうのに。

「凪、ほら」
つかさくんは機嫌の悪い顔のまま、さっき言いかけたオレンジピールの乗っかったクッキーを口にくわえた。

条件反射で口を開けて、ぱくり。
まぐまぐ。

「んー。やっぱ美味しいなぁ。でも、つかさくんのクッキーは毎日食べたいけどこのクッキーは毎日食べられないかも」
「そうか?」

お?
表情が少し変わったぞ?

「上手く言えないんだけど、つかさくんのは飽きないんだよね。だからこのクッキーは時々、毎日食べるならつかさくんの作ってくれたやつ」
「な、なんだそうか」

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