■キチガイなお茶会(1)

ゴールデンウイークの前日、
つかさくんに「明日、庭でお茶でもするか?」と誘われた。

翌日、時間よりも早めに来たら「いくら何でも早すぎだ」
と呆れた顔にプラスしてため息までつかれてしまった。

だって、すごく楽しみにしてたんだもん。早く来たって別にいいじゃん。

「今準備してくるからちょっと待ってろ」
つかさくんは私を庭に連れていきベンチに座らせると慌てて家の中に入っていった。
おとなしく座って待っていたんだけど全然来ない。

どうしたのかな?

玄関に向かって行くと、綺麗に刈り取られた植え込みが現れる。
こんなところあったっけ?などと思いながら先に進んでいくと、
植え込みはだんだんと高さが増して気がつくと私の頭の上以上になっていた。
しかも、迷路にはまりこんでしまったらしく少し進むと右に折れ、左に折れ、
いくつか角を曲がるとぐるっと回って……急に目の前が開けた。

見ると、そこは小さな広場で真ん中にテーブルが置かれていて回りには椅子が3つ。
そのうちの二つにはウサギとヤマネのぬいぐるみがちょこんと鎮座してる。
あと一つの椅子には燕尾服を着て大きな帽子をかぶった人がいた。
私に気付いたのか振り向いたその人は何故かつかさくんだった。

何だか変な格好だなぁって思いながら近づくとつかさくんは
「待ってたんだぞ。ほら、こっちに来いよ」
と私に手招きをした。

テーブルの上にはお茶のセットと、プレートスタンドが置いてあり、
そのお皿にはケーキやクッキー、スコーンなどお菓子が並んでいる。

それがとても美味しそう。

「ほら、座る」
いつものようにつかさくんはぽんと膝を叩いた。

「外でもするの?」
「当然」

人前じゃ絶対しないんだからね。

なんて言いながら向かい合うようにつかさくんの膝に座ろうとしたら、
「違う。今日はあっち向き」って言われた。
あっち向きとは普通に膝に座るっていう意味なんだけど。

「何で?」
「ミルクが切れてるんだよ」
つかさくんはテーブルの上の紅茶に指を指す。

確かにミルクピッチャーは空っぽだけど普段は砂糖だけでミルクなんて滅多に入れないのに。

つかさくんの言っている意味がわからなくて聞き返した。

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