■素敵な仕事場3(1)

翌日───

農場を訪ねた由真はオーナーに事務所に通される。
オーナーとミルクを飲みながら打ち合わせをしているうちに彼女はいつの間にか眠りについていた。

◇ ・ ◇ ・ ◇

「?」
由真は肌寒さを感じ目を覚ました。自分が薄暗い部屋にいる事に気づく。

「…なん…で?私…」
彼女が呟くと気づいたオーナーが顔を覗いた。

「あ、気が付きましたね。ここが今日から君が使う事になる部屋ですよ」
オーナーは部屋の明かりを付ける。

部屋が明るくなると自分がいる部屋の様子に気づき、彼女は驚いた。コンクリートの床と煉瓦の壁と鉄の扉で囲まれた、そこはまるで監獄のようだったのだ。

「何でこんな所…」
そう言いながら自分に目をおとす。
「…え?」

一糸まとわぬ姿にされて、壁に据え付けられたベッドに寝かされていた事に今更のように気づき、悲鳴を上げた。

「きゃぁぁぁぁぁ…お、オーナー」
「ん?なんだい?」
「わ、…私どうして裸…なんですか?」
彼女は手で胸と秘部を隠しながら森島を睨む。

「いいですか?あなたが今日から一緒に過ごすパートナーはですね、まず、服を着ているモノには心を開かないんです。だから衣類は全て脱がせて頂きました」
「脱がせて…ってそんな横暴な」
「これも仕事の一つで、お給料のなかに含まれる事だと思ってください。どちらにせよ服を着られては仕事になりませんからこれは守って頂きますよ」

「私は牛の世話をするんじゃなかったんですか?」
「私がいつ牛の世話をして欲しいといいました?」
「…いえ…でも…あの時のミルク…」

森島は意味深な笑みを漏らす。
「…とにかく、そのパートナーとの信頼関係が大事です。彼が出来るだけあなたに懐くようにして頂かない事にはこちらとしてもミルクが取れなくて困ってしまいますのでね。あなたのご家庭の事も考えますと出来れば早めに慣れた方がよろしいかと思いますよ。お父様を早く楽にしてあげたいのでしょう?」
「…そ、それは…」

「今からその生物を中に入れます。乱暴な事はしないようにお願いしますよ。何しろ商品を生み出すために大切な製造者なのですから」
森島はそう言ってその部屋の壁に生えているレバーを上に上げる。

ごごごごごご…という鈍い音をたてて壁が開きその奥から何やら蠢くモノがこちらに向かってきた。

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