■素敵な仕事場4(1)

あれから──
由真は薄暗い部屋に閉じこめられ、ずっと身体をまさぐられ続けていた。逃げたくても蔓に絡みつかれて身動きが取れず彼女はオーナーが来るのを待ちそれにじっと耐えていた。

◇ ・ ◇ ・ ◇

「おはようございます。由真さん」
森島に声をかけられて目を覚ました。
人間慣れというのは恐ろしいもので、あんなにも不快な事をされ続けて絶対に眠れる訳がないと思っていたのにいつの間にか眠っていたのだ。

「日を入れましょうね。ずっと暗いままでは気も滅入ってくるでしょう?」
森島はそう言って壁のスイッチを弄ると天井が開き、ガラス越しではあるが、そこから日が入って部屋は明るくなった。

途端、自分が裸である事に…触手に淫らな格好にされているのがはっきり見えるようになり、彼女は慌て、自由になる手で自分の身体を最低限森島から見えないよう動かした。

「オ…ナー…あ…いや…見ないで…」
「大丈夫ですよ。あなたが彼と触れ合っているところを見たところで私は別に何とも思いませんから。恥ずかしがらなくても普通にしていらしてください」
「…そんな事…言われたって…」

自分が触れるのに邪魔だと思ったのか胸を隠した腕に蔓が絡まり強引に胸から引き離す。
「きゃぁ」
彼女はどうにかして腕を掴んでいる触手から逃れようと身体を動かすが、蔓の力は強くびくともしない。
「いやぁ…離して離してよぉ」
森島は彼女の様子を見てため息を吐いた。

「…まだ、羞恥の心は残ってますか…まあ、仕方ないですね。昨日の今日ですし…そうそう、伝える事があって来たのです。先ほどあなたのご自宅にお給料の一部を送金しておきました。おおよそ…万ほど」
「え?」
給料の振り込みは父名義の口座にしてもらっていたのは住み込みだから送金が大変だろうという配慮からだったが、それにしてもその振り込まれた金額を聞いてあまりの金額の大きさに目を見開いた。
「…そんな…に?」
自分はとてもこんな仕事はつとまりそうもないのに…
彼女は疑問に思った。

「まあ、先行投資のようなものですが、昨日のあなたの様子でおそらく損にはならないと踏みました。ですからあなたも頑張って彼に奉仕をしてお互いに気持ちが通じるぐらいになってください」

そんなの無理だ。オーナーがここに来たら仕事を辞めるように言うつもりだったのだから。

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