■素敵な仕事場4(2)

慌てて彼女は森島に言う。
「私、とてもこの仕事つとまりそうにありません。実際、彼からミルクらしきものは出る気配もないし…」
「大丈夫ですよ。先行投資だと言ったでしょう?」
森島は優しげに彼女に言った。
「パートナーになったばかりで、いくら何でもそんなに早くは無理ですよ。しかし、長年の勘であなたは絶対に素晴らしいミルクを作り出してくれると思っています」

「オーナー…その話なんですけど。私、やっぱり、他の仕事に就こうかと思うので…その…」
「…良いのですか?私はあなたがこの調子でやっていけば最初にお伝えしたお給料を確実にお支払い出来るのですよ?実際、あなたの様子を見て私はお給料の一部先渡しをしようと思ったのです。他の仕事に就いてあれだけの大金を即座にお渡し出来る職業なんてないのでしょう?風俗でもかなり身体を売らないと無理だと思いますよ。せっかく彼になじんで来ているのに勿体ないとは思いませんか?」
「なじみたくないから言っているんです。私、こんな…」

「…では送金したお金を返して頂かないとまずいですね。私の好意で送金したのです。利子は頂かないにせよあなたがここを辞められる前には都合をつけてもらわないと。では、その件についてはお父様と直接話をして頂きましょう」
森島はそう言って彼女に携帯を渡した。彼女は触手に絡まられながら父親に電話をかけた。

『はい…』
「あ、お父さん?」
『ああ、由真か。どうだ?頑張っているか?』
電話の先の父親の声はかなり明るい。

「あ…う…うん」
『それはよかった。お前が昨日そこに働きに行ったというのに今朝、大金が振り込まれてきたからびっくりしてね。変な職に就いたのではないかと不安で…』

「あ、そのお金なんだけど…」
『つい先ほどそこの社長さんに連絡をとって聞いてみたらお前の働きぶりが気に入って先に振り込んでくれた金だと言うじゃないか。農場でもそんなに儲かっているところがあるんだと驚いたよ』

「そ、それはね…」
『私も働きたいといったらそこは特別に女性しか雇っていないから無理だと断られたがね』
父親は苦笑をしながらも話を続けた。

←前|次→
目次|
inserted by FC2 system