■素敵な仕事場おまけ(4)

どうしてこんな事になってしまったのだろうか。森島は思う。毎夜、彼女との歪んだ情事を終えるたび、いつも悔やまずにはいられないのだ。


なじむ女性が見つかれば確実にミルクを出す。しかもそのミルクは牛乳など比べものにならない味だという謳い文句を真に受け多大な借金をして購入をしたのがあの生物だった。

育てるのは大変な生物で、環境が整わないとすぐに死んでしまうと聞いていたが彼らの生態を調べ上げそれもクリアした。後はあれになじんでもらう女性の募集をかけるだけでよかったのだ。金に困っている人は大勢いる。多額の給金を目の前にぶら下げれば…そう思っていた矢先に事故が起きた。

『パートナー以外の女性は触手に膚を露出して近づいてはいけない』
注意書きにはそう書かれていた。

しかし、真夏のある日あれの部屋を掃除をしていた小夜子に触手が絡みついたのだ。牧場の空調が故障をし、小夜子があまりの暑さに普段の繋ぎを脱いでしまったのが原因だった。

森島が監視カメラを見て慌てて部屋に入った時には乱暴に引き裂かれた布の残骸が床に散らかり、目の前に触手に身体を嬲られる小夜子の姿があった。

引き離そうとしても小夜子が気に入ったのかあれはまるで彼女を離そうとはしない。

小夜子は試行錯誤しながら自分を引き離そうとする森島に言った。
「離れ方が分かるまで自分がパートナーになる」と。

しばらくして、独特のリズムというモノがあり、触手に触れ、軽くリズムを取る事によって合図をすれば触手はパートナーを外すと言う事が分かった。

しかし、それが分かった時にはすでに小夜子は触手に魅入られていた。触手が離れると心底辛そうに泣き叫ぶ。その彼女に同調して触手も彼を彼女に寄せ付けまいとする。すでにどうしようもない状態になっていた。

皮肉な事に小夜子から出る乳は素晴らしい味だと噂が噂を呼び、瞬く間に得意先が出来た。牧場は潤い借金を返済し、尚かつもう一匹購入出来るほどの資金がすぐに貯まった。

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