■増幅師2(1)

シンシアはオレが気に入ったのでしばらく一緒に居たいと言った。
オレは別段断る理由もないし、(あるといえばあるが増幅魔法以外を使わせなければいいのだ)顔は可愛いし(少々口が悪いのが気になるが)まあいいか…って事で一緒に仕事をすることになった。


「…しかしあなたって本当に面白い仕事を引き受けますね」
シンシアは呆れたようにオレを見た。

ええいうるさい。何故だ?どうしてだ?シンシアと一緒に仕事をするようになってから妙にオレの手に余るような仕事ばかり引き受ける羽目になった。

───結果はご想像のとおりだ。

しばらく女なんか抱きたくもない、どころかオレ。子供残せないかもしれない…。


今回の仕事もそうだ。「研究中のスライムが自分の制御を外れて逃げ出したから何とか倒して欲しい」とまたもや馬鹿な魔術師に泣きつかれてまあ、スライムなら火に弱いだろうと思い、引き受けたら「画期的な魔法で作り出した炎のスライムなんですよ」とほざいた。

なんだそりゃ。どうやったら炎がスライムになるんだよ。

石造りの建物の奥の奥で作っていて歩みが遅いのが救いの燃えるモノを燃やしながら進む火事発生装置のようなヤツだそうだ。

「炎のスライムでしたら火には強いでしょうねぇ」

うるせぇ…
またシンシアに頼む事になるのか?それだけは…出来れば勘弁して欲しいぞ。

シンシアは難しい魔法を容易く使える癖にそれをセーブするやり方がいまいち出来ないらしくて魔法はどれもこれも豪快に使う。しかも彼女が主に使う魔法は基本的に高度なモノで、彼女はその手の魔法を使うと高度のものになればなるほど思い切り欲情する。だから必然的にオレの肉体奉仕が増えるわけだ。


オレが情けない顔をして大きなため息をついていたらシンシアが助言をする。
「…ニルさん。ここはひとつもう一人助っ人を雇うというのはいかがでしょうか?」
「助っ人?」
「はい…私が適当に見繕って参ります」
優雅に彼女はマントを翻して冒険者の店に入っていった。

…大丈夫か?

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