■増幅師2(12)

「ボクが責任を持ってシンシアさんを幸せにします」
…そう言ってテッドは彼女を連れてオレと別れた。

一人になったオレは…またシンシアに会う前の状態に戻ったのだがあれだけの個性のヤツだったから何だか胸にぽかりと穴が空いたようだ。

…ま、シンシアもしばらくの間…って言っていたんだ。少し早まっただけだと思えばいいか。


オレがいつものように仕事を終えてその街の酒場で一杯飲んでいたら全身黒づくめのローブを着たヤツがオレに近寄ってきた。

「お一人ですか?」
「…ああ」

声を微妙に変えてはいるが…オレには誰だかすぐにわかった。

「隣…座ってもよろしいですか?」
「…ああ。しかし、何でそんな格好をしているんだ?シンシア」
「あはっ…ニルさんにはばれちゃいましたか」
ちょろ…とフードの端を揚げて彼女は疲れた笑顔をオレに見せた。

「テッドはどうしたんだ?」
「まいてきました」
「まく?」
「…私、テッドさんから逃げてるんですよ」
「…何かやったのか?」
「…いえ…あの…仕事は…私がやって、テッドさんが私を慰める…という形で何とかやってきたんですけど…」

…実際アイツの精力は…かなりすごかった。本当に自分一人でシンシアを慰めきってなおまだ余裕があるぐらいだったのだから…。

「でもですね、ダメなんですよ〜、テッドさん。全然…あの…男の方にこう言っては失礼だとは思うんですけど… すぐに出してしまわれるので…私がつまんないんですよ」

彼女はオレに半泣きになりながらそう訴えたが…

言っている意味がわからん。

「テッドさんは、私が気持ちいい…って思う前に終わっちゃうんですよぉ。確かに…身体の疼きは治まりますよ。でもですね、それじゃ私が納得出来ないんですよ。疼きを収めるのが目的ですけど私だって気持ちよくなりたいじゃないですか」

…彼女の言いたい事は何となくわかった。

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